[地下駅] 日本海に面する筒石駅
直江津-糸魚川(JR東日本 北陸本線)間にある山岳トンネル駅である筒石駅を探索してきました。 (2021年現在、えちごトキめき鉄道(ETR)日本海ひすいラインの駅となります)
GoogleMapでは拡大しないと駅名が出ないほどの秘境駅です。
全長11kmある頸城トンネルを掘るために作られた、斜坑を利用した駅となっています。 今回は直江津駅から糸魚川駅に向かう途中で列車を降りました。
直江津駅で金沢方面行きの北陸本線列車に乗り込みました。 当日は北海道&東日本パス(普通列車限定)を利用していたため、筒石に行くためには切符を購入する必要がありました。直江津から筒石・筒石から南小谷までのJR西に属する線路の切符を購入しました。
有間川駅を通過。次の名立駅を超えると、直ぐに頸城トンネルに入り、筒石駅の次の駅である能生駅まで地上に出る事はありません。
筒石駅金沢方面ホームに到着しました。降りたのは、私を含む観光客5名と地元の高校生の2名だけでした。 2009年の実績では毎日60名がこちらの駅を利用するようです。
外気温が30度を超えている中、トンネル内の気温との差が大きいためか、上から下まで湿っていました。
乗ってきた列車が出発した直後に、反対側の線路を電気機関車が通過しました。 貨物は無く、機関車単体でしたが通過した後に反対側からものすごい風圧を感じました。 当日は見る事ができませんでしたが、特急列車は130km/hで通過するようです。
ホーム配置が左右対称になっているのは、トンネルの断面積を少なくし、掘削量を下げるためだそうです。 駅名表示板の下にある黄色い棒は手すりとして利用されています。
電車が通らない間は、無数から湧き出た地下水の音が絶えず続きます。 上下線の中間には、バラスト飛散防止用の金網が設置されています。
ホーム横の待合室にはベンチが設置されていました。
ホームへの入り口。扉は風圧と湿気を避けるために設置されているようです。
連絡通路への階段です。金沢方面の階段は途中で曲がっていました。
連絡通路。
直江津方面ホームへの下り口
直江津方面ホームへ向かいます。
待合室は金沢方面ホームと同じ作りでした。
機器や駅名表示板の配置までもが左右対称となっています。
地下ということもあり、方位感覚が失われどちらのホームに居るか分からなくなります……
地下の探索を終えたので、地上の駅舎を目指します。
気圧の変化のため、電車が来た際に斜坑から霧が出てきました。 列車が通過すると更に風が流れ、急激に霧が晴れます。
電源・通信用のケーブルや、水道管などが全て剥き出しで、天井を這っています。
こちらの斜坑階段での境目で、連絡通路側の地下の冷たい空気に対して、斜坑の蒸し暑い外気温のような変化が感じ取れました。
駅舎とホームとの高低差が40mほどでビル10階分くらいあります。 少し息が切れましたがそこまで長いという事はありません。
改札口です。駅員さんに記念切符を発行してもらい、筒石駅の資料をもらいました。
大正元年から続いている歴史ある駅ですが、地下に移転したのは昭和44年だそうです。
駅舎を外から撮影しました。 列車が走っている様子が微塵も感じられないので、ただのプレハブ倉庫にしか見えません。
駅を出て少し歩くと丁字路があり、駅名看板が立っていました。 周りを見渡すと、高速道路の高架橋と民家が3,4軒あるくらいで、後は緑が広がっているのみとなっています。
駅名看板。JR地下駅
駅前の道路は、完全に山道です。
坑口にある風よけ衝立には、駆け込み乗車防止のポスターが掲示されていました。 この駅と北越線の普通列車停車時間を考えるとシュールさを感じます。
階段の隣には、トンネルを掘る際に利用されたと思われる、モノレール用の空間がありました。
降りて行くと、斜坑の途中で90度の曲がり角があり、そちらは駅を作るために掘られた連絡用通路となります。 斜坑は途中で遮られていますが、金沢方面ホームの直江津側につながっているようです。
列車到着の時間になると、駅員さんが毎回ホームまで降りてくるようです。
筒石から南小谷を目指して再出発しました。