遊園地の廃墟 化女沼レジャーランドを歩く
化女沼レジャーランドは、宮城県大崎市に1979年に開業し、2000年に閉鎖されたテーマパークです。 しかし、社長の「化女沼を一大観光地に」という夢を叶えるために、園内は取り壊されず残されました。
そして今、廃墟の聖地としてスポットライトを浴びています。
今回は、株式会社たびのレシピによるツアー「化女沼レジャーランド~トワイライト~」に参加してきました。 オーナーによる案内や、普段は入れない園内の施設などに入ることができる廃墟ツアーです。
全天球パノラマ撮影を主体にしたため、化女沼レジャーランドについての詳細を知りたい場合は他のサイトも併せて御覧下さい。
今回は、化女沼レジャーランドの廃墟見学バスツアーを利用し、仙台駅から出発しました。
仙台駅からバスで1時間。化女沼レジャーランドにたどり着く
長者原スマートICにて高速道路を降り、しばらく走ると化女沼レジャーランド正面ゲートに到着しました。
少しの、間林道を走ります。 園内は機械警備が行われており、当日も警備会社による巡回の様子が見られました。
林道を抜けると、園内入り口と事務所が見えてきました。 敷地面積は4万5千坪(東京ドーム3.2個分)もあり、高低差もあるため園内の移動は大変です。
到着すると、オーナーと社長が出迎えてくれました。
社長は今年で86歳。 もともとサラリーマンとして県庁に勤めていたが、バブルの時代に七十七銀行から融資を受け、レジャーランドをオープンさせたそうだ。 最近の廃墟ブームで、取材の問い合わせが次から次へと来ているが、営業している時に来てくれれば良いのにと少し残念そう。 NHKが取材が来た時は、社長の健康の秘訣ということで寒風摩擦とダンスをやっているという事を話したところ、真っ裸で寒風摩擦をすることになり、そのシーンが全国放送されてしまったとか……
事務所の反対側には、小型飛行機が展示されていました。 これはハリボテではなく、実際に飛んでいたものを利用しているということでした。(富士 FA-200)
藪をかき分け近づいてみると、柵で囲まれていましたが、なんとか近づくことができました。 話を聞くところによると、空気圧で動くアトラクションとして利用されていたそうです。
ゴルフ練習場事務所と、売店が並んでいます。中央に見えるたぬき風の物体には公衆電話が設置されていたようです。
内部に入ると、廃墟らしい光景が広がっていました。こちらも 奥に見える出入り口から、ゴルフ練習場につながる道に出ることができます。
レジャーパークゴルフ練習場
2階建てのゴルフ打ちっぱなし練習場です。2階からは、西側に観覧車を望むことができます。
高い支柱が多くありますが、こちらは倒れたら危険なためか、メンテナンスされておりサビが少ない印象です。
階段が二箇所に用意されていますが、自然による侵食を受けています。
化女沼レジャーパークゴルフ場 ゴルフ練習場
化女沼パークホテル
続いて、化女沼パークホテルにたどり着きました。 こちらは宿泊施設となっており、大浴場やバーがあります。
入ってすぐの場所が、メインフロア兼食堂となっていました。
事務所は全く手がつけられておらず、16年前の雰囲気が色濃く残っています。
ある程度整備されているとはいえ、風通しが悪くカビていました。
所々、天井が抜けていましたが多くは地震のため、壊れてしまったようです。
最たる箇所が、フロアから階段を上ったバーの手前。 空が見えてしまっており、雨が隙間から降っていました。
化女沼パークホテル
ホテル内には"メルヘン"というバーが設置されていました。 天井の絵は不死鳥でしょうか……?メニューはこちら。
さらに進んでいきます。
封鎖された勝手口
貨物エレベーター
大浴場前、休憩室のテレビ
大浴場前、廊下
男子大浴場 入り口
風呂場には、サウナとラドン温泉が備え付けられていました。まだ整備すれば使えそうな雰囲気が感じれれます。 閉園後の2003年にはホテル化女沼温泉として泉源を掘り当てましたが、ホテルからは若干離れており具体的な活用プランには至ってないようです。
上の階のホテル客室に進みます。
客室内も、16年前から片付けられておらず、当時のまま残っています。
よく見ると、消化栓表示灯が灯っており、電気がまだ通っていることが伺えます。
さらに上に向かうと、屋上に出ることができます。
天気が良ければ、化女沼が広がって見えたでしょう。
ゲートボール場
ホテルの入り口の、道路を挟んですぐ反対側にゲートボール場への階段がありました。 しかし、この階段は金属製で腐食が進んでおり、踏み外す危険があります。一応別のルートから行けますが、藪となっておりそちらからのアクセスも厳しいです。
化女沼ゲートボール場
こちらも、ゲートボール道具が放置されっぱなし。 元々、半屋外的な施設なので、少し整備するだけでゲートボールがプレイできそうです。
化女沼お姫館
廃墟として紹介してきた、化女沼レジャーランドですが、場内には現役の施設も存在します。 それが、この化女沼お姫館です。
化女沼の照夜姫伝説と呼ばれる、長者の姫と旅人の悲恋物語を紹介する展示館です。 社長は毎日欠かさずこちらに訪れ、化女沼の安全を祈願しているそうです。
館内は壁画や飾りが非常に豪華に作られており、ここだけ別の空間に感じました。
化女沼お姫館
照夜姫像
お姫館の前に放置された、古い自動販売機
観覧車と遊具
お姫館から北へ歩き、コテージ群を通り過ぎると、象徴的である観覧車が見えてきました。
複数の遊具が今も、原型を保って残っていました。
化女沼レジャーランド メリーゴーランドと観覧車
2009年に映画『スープ・オペラ』の撮影が行われた際に、メリーゴーランドが動くようスタッフにより大改修されたようです。
古めかしいサビた遊具が放置され、ノスタルジックな風景が広がっていました。
園内は、清掃や最低限の整備がされているため、16年経った廃墟にしては綺麗に残っていました。 草が生い茂っていたので、次は冬に再訪問したいですね。