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栃木県佐野市葛生に眠る廃線跡を辿る

東武鉄道は、明治32年(1899)の創業から、平成15年(2003)年9月までの、私鉄としては最長である104年間も貨物輸送をしていました。 佐野市は豊富な石灰石の資源があり、平成8年まで葛生駅から都心まで輸送されていたようです。

かつて葛生駅からは東武会沢線が伸びており、更に一駅先の上白石駅からは東武大叶線・日鉄鉱業羽鶴専用鐵道が伸びていました。 今回は、その中でも一番最後に廃線された、日鉄鉱業羽鶴専用鐵道・会沢線(上白石まで)を辿って来ました。

位置関係をつかむには、探索前にまとめた地図が役に立つでしょう。

東武会沢線や東武大叶線は、資料が古いものしか無く、信頼性は低いです。 近辺の主要なバス停や、食事ができる所も記述してありますので、参考になるかと思います。

東武伊勢崎線 -> 東武佐野線を経て葛生駅へ

北千住駅 東武の最大ターミナル駅である北千住駅から出発です。 集合を伊勢崎線中央口にしていましたが、スカイツリーラインに名称が変わっている上、 中央口という表記が無かったので混乱しました。。。

特急りょうもう 特急東武りょうもうで、東武佐野線の乗り換えができる館林駅まで向かいます。 普通列車用ホームの奥に繋がった形で、特急専用のホームが用意されていました。 この列車の変わった所は、客室を少しでも多くするために、出入り口の数が極端に少なくなっています。 私たちが乗車した車両には出入り口が存在しませんでした。

館林駅 出発して暫くは、私鉄としては最長の複々線を眺める事ができます。 1時間ほどで、館林駅に到着しました。

館山

東武伊勢崎線は、かつて貨物線としても利用されていたため、主要な駅には貨物ヤードが整備されていました。 現在、東京ソラマチ(スカイツリー)がある場所も、元は都心に石灰を供給するための貨物基地でした。

東武佐野線 暫くすると、東武佐野線の列車が入線してきました。 終点葛生まで向かいます。

さのまる 途中、佐野市駅近辺の都市ガスタンクに、有名な佐野ラーメンをモチーフにした、市のゆるキャラ「さのまる」がプリントされていました。

葛生駅 葛生駅に到着しました。(2006年乗降者人数1385人/日 出典Wikipedia) 明治22年(西暦1889年)6月23日に開業した歴史ある駅です。 特急列車の発着もあるため、ホームは長く立派ですが、駅舎は古い木造です。

駅の周辺にはラーメン喫茶が1店舗あるのみ。

駅舎からは想像できない程の、貨物ヤード跡地が広がっています。 最も栄えていた頃は、20本の線路が並んでおり80人を超える駅員が滞在していたようですが、 今はその面影も無く、駅前は寂れていました。

葛生駅 東武会沢線跡を辿る

  • ここから会沢線が始まります。葛生駅ホームには、館林行き列車が停車しています。

葛生駅を東方面、線路終端側に向かいます。 葛生駅ホームから先、100m先の道路境界までは未だに線路が残されています。

番外:廃墟コーナー

葛生駅から白石駅に行く途中に廃墟がありました。 状況を見る限り、商業利用されていた建築物のようです。

放置されて5年は経っていると思われます。何に使われていたかは不明です。

その2に続く。

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