相互リンク関係であるありの木さんと奥多摩の散策に行ってきました。
立川からホリデー快速に乗り、1時間弱。東京都内で最も都内かどうか怪しい山岳地帯、奥多摩に到着しました。
まずはバスで小河内ダムまで移動。
今回は小河内ダムを建設するために作られた水根貨物線を見に行きました。ダム完成後に廃線となり、52年が経過しているようです。小河内ダムパノラマ写真
奥多摩湖バス停留所から一つ前の停留所に、水根貨物線の終点である水根(水根沢)駅跡地がありました。
終点駅から奥多摩駅方面へ目を向けると、国道を渡るガーダー橋と、その先にトンネルがありました。
奥多摩駅までの国道沿いを歩くと、所々にコンクリート製の高架橋が見えます。 戦後間もない時点での建設ですが、この辺りはコンクリート原料の採掘地なので、このタイプの橋が多く見られます。
バス停「滝のり沢」のポールの後ろにこんな看板が。 新宿まで約2時間は確かに間違っていませんが、果たして希望者はどれくらいいるのでしょうか? この看板の反対側に水根線トンネルの入り口への道があります。
草が生い茂って、けもの道と化していましたが、かき分けながら上に上っていきました。 一応、足下はコンクリートで補強されていましたが、転落防止用の柵などが無いので、少し緊張しながら進みます。
奥多摩市による「むかし道廃止」の立て看板をよそに、先ほど見えた橋の上に進みます。 すると橋の反対側にトンネルが見えました。
以前は内部に明かりが灯っており、むかし道として正式に公開されていたようですが、現在はむかし道の順路から外れております。 ここからは自己責任の域です。
トンネルの中は前後の入り口から微小な光が入り込みますが、基本的に真っ暗闇です。 持参した懐中電灯を灯し、進んでいきました。
見て頂くと分かりますが、なんとまだレールが残っています。 表面を観察すると、漏れてくる地下水によって浸食されてボコボコしていました。
長いトンネルにしては退避場所が少ないように感じましたが、ここに鉄道が通っていた名残を感じます。
途中、地下水が滝のように漏れだしていて、折り畳み傘に頼る場面も。
かつてここが一般公開されていた頃は、電灯が備え付けられていたようですが、そちらも午後7時までで消灯していたようです。
このトンネルは水根線の中でも一番長いトンネルで全長440mもあるようです。 外の光がとてもまぶしく感じました(笑)
ここからは、暫く国道を歩きます。 一番高いと思われる高架橋。崩壊の危機があるという噂も?
国道から見える高架橋は進む毎に見えにくくなっていきます。 暫く国道を歩み進めると、むかし道に再合流するので、そちらに進路を切り替えました。
この辺りのむかし道は、民家と隣接ており、この巨大ガーダー橋もその合間を縫って作られています。 左下から出ているレールのようなものは、この上に住む人が敷いた私用モノレールのようです。 この形式の私有モノレールが数カ所に見受けられました。
しばらく歩くと民家から、また森の中へ。 廃線とむかし道の高度の関係が逆転し、足下からトンネルの出口が出ていました。
唯一の踏切?この写真の奥の方がダム方面ですが、橋が朽ちており、なかなか危険な香りがしました。
反対側に目を向けると、またトンネルがありました。 先ほどのトンネルと比べると、長さが短いようで、奥に出口側からの光が差し込んでいるのが分かります。
どのトンネルも出口から緑色の光が差し込みます。
トンネルの外も線路が残っていますが、先に進んだところ地中に埋もれていき、消えてしまいました。
この時も、草が生い茂る道をかき分けて進みましたが、衣服に植物の種がたくさんくっついて酷い有様に。
アーチ橋へ続く最後のコンクリート橋です。下の道を通り、奥多摩駅方面へ歩きました。 なお、こちらも昔道の経路になっており、先ほどのトンネルはかなりのショートカットとなっているようです。
多摩川に架かっている、アーチ橋です。 橋の上は例外無く植物が生い茂っており、民家の方が向日葵を栽培しているようでした。
現在も稼働を続けている石灰石工場。
下から見ていたところ、石灰が漏れているのが確認できました。 建物が白いのは元からなのか、石灰がついているからなのか?
廃村された峰集落。 奥多摩から青梅線で鳩ノ巣駅まで移動して、登山ルート
鳩ノ巣駅を降りたら山側の登山口を目指します。
登山口が分かりにくいですが、民家のようなコンクリートの道ですが、この写真の左の方に行くのが正解です。 左に行くとお墓になってしまうのでご注意下さい。
民家を過ぎると、あっという間に森の中へ。 ここから40分ほど歩きます。
廃線を見た跡で、既に日が落ちてきているので、下山中の方と多くすれ違い、「今から大丈夫?」と声を掛けられながら目的地を目指しました。
「大根ノ山の神」に到着です。こちらから峰集落へは、この写真の奥の道へ進みます。 こちらで話した老夫婦の話によると、小河内ダムの奥には峰集落よりも新しい廃村があるとの情報を得ました。
転落したら怪我だけでは済まされないような道を進んでいきます。 足下が不安定な箇所がいくつかあり、暗くなる中急いで進みました。
足下に目をやると、碍子がついている電柱のような物体が! 他にも墓石や石垣などの人が住んでいた形跡が現れ始めました。
廃村されてから年数が経っており、廃墟は存在しないかと諦めかけていたところ、それは姿を現しました。
既に崩落していましたが、峰集落にはまだ廃墟が残っていました。
井戸の跡です。
五号です。番地札でしょうか?
人形。他の探索者のレポートでも見る限り、人為的にここに置かれたものですが、廃村したときには存在していたものでしょう。
2009年10月11日時点で、峰集落に残っている廃墟は2棟のみでした。
今回は、暗いところで写真を撮る事が多く、手ぶれ補正/高感度に頼りましたが、それでもブレ写真が多かったので、次回から三脚を持っていこうと心に誓いました。。。
最後になりましたが、廃線の真っ暗なトンネルや、人間以外の何かが出没そうな峰集落など、一人では心細すぎて探索できないような所に同行して下さったありの木さんに感謝を述べます。 写真提供などもして頂き、どうもありがとうございました!
写真提供 ありの木様
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探索日 2009_10_11
レポート公開 2009_11_08